Immersion Learning
ビジネススクールがカバーする領域は非常に広く、ともすると「広く浅く」学ぶ結果になってしまいがちなのですが、Johnson
Schoolにおいては、ある特定の分野のエキスパートとしても活躍できる人材を育てるべくユニークな6つのImmersionプログラムを提供しています。特に、アメリカでインターン/就職をする際には、イマージョンでの学習で他校の学生と差をつけられる利点があります。
また、特定のイマージョンを選ばないCustomized
Optionを選択して、自分でJohnson School内外から選択科目を組み合わせることもできます。近年では約20%の学生がCustomized
Optionを選択しています。
- Capital Markets and Asset Management
- Entrepreneurship and Private Equity
- Investment Banking
- Managerial Finance
- Semester in Strategic Operations
- Strategic Marketing Immersion
- Sustainable Global Enterprise
- Customized Option
Immersionの特長は、実際の企業においてマネジメントがどのように機能しているのか、もしくはWall StreetにおいてInvestment Bankerがどのようにdealを行っているのかを、まさに現場を訪れたり、corporate executivesをguest speakerとしてクラスに招くなどして実社会との接点が多く組み込まれていることです。Immersionを通じて、classroomの中だけではなかなか学び取れない社会の実像に触れることにより、MBAをより価値の高いものにしてくれます。
ここでは一部のImmersionについて、日本人学生の履修経験に基づいてご紹介します。
Investment Banking Immersion (IBI)
Investment Banking
Immersionとは投資銀行業務で必要とされる理論と実務を一体化させた集中プログラムです。基本的には投資銀行への就職を目指す学生を対象としています。IBIに登録するとコア科目以外に以下の選択科目を履修することが義務付けられます。
1.Intermediate Accounting
2.Valuation Principles
3.Financial Modeling
4.Corporate Finance Policy
Week on Wall Street
冬休み明けの毎年1月に約一週間、投資銀行(Morgan Stanley, Goldman Sachs, Lehman Brothers,
Deutsche Bank, JP Morgan, Citi Group
etc.)を往訪し、各社が最近行ったIPO、M&Aディール、及びI-Bankerの実際の仕事内容等などについてディスカッションを行います。この時期は、東京採用は終了していますが、ニューヨーク本社での採用の時期でもあり、各社リクルーターを兼ねている場合も多く、日中にディスカッションをした後で、毎晩レセプションやカクテルパーティが開かれます。各社とも直近の主要なディールや、M&Aの第一人者を紹介する等、気合の入った内容となっています。
Investment Banking Practicum
実務経験のある教授のもとで、最近のディールをディスカッションするという授業です(今年はM&Aに15年携わっていたMerrill
Lynch出身の教授でした)。毎週資料と問題が渡され、他科目で習得した理論、証券会社のアナリストレポート、及びブルームバーグ等の各種情報端末を駆使し、レポートを提出することが義務付けられています。時には実際に当該ディールを担当したI-Bankerの講義を受けます(今年は、Kmartの再建を行ったI-Banker等)。内容は敵対的買収、クロスボーダーM&A,
Contingent
M&A、二重上場の問題、証券化、IPO(私も日本のIPOマーケットについてプレゼンをさせられました)など多岐に渡ります。ワークロードは非常に重く、どうしても他科目を勉強する時間も削られてしまいますが、コア、選択科目共に理論の習得に重点が置かれているので、それとは逆に、最新の話題、ディールを学ぶことができるという意味で、お勧めのプログラムです。
Managerial Finance (MFI)
Managerial Finance Immersion (MFI) は、主に企業の側から見たコーポレート・ファイナンスに主眼をおいた授業になります。IBIが、I-Bankでの技術的な課題が中心なのに対して、MFIは様々な場面での企業の意思決定のプロセスを中心に授業が進められます。クラスサイズは毎年35-40名です。卒業後の就職先としては、企業の財務部門、コンサルティング、I-Bank, VC, Private Equityに進む学生が多いようです。
授業は、Corporate Financial Policy(1月初旬の一週間の集中講義で終わらせますのでかなり辛いです), Managerial Finance Immersion Practicum, Valuation Principles, Financial Statement Analysis, Corporate Governance, Managerial Cost Accounting(2008年よりIntermediate Accountingも選択可)で構成されます。
Practicumは、1月中旬の3日間の企業訪問と、その後の数回のlecture及び6-7回のゲスト・スピーカーによるケースの授業で構成されます。企業訪問については、2008年の場合、Air Products, Merck, S&P, AMEX, JP Morganを訪問しました。事前準備としてWinter Break 前から訪問企業に関するcase のwrite up が課され、企業財務戦略、意思決定プロセス、格付け手法、金融機関のDuration管理といった事項につき知見を得た上で、企業訪問時にCFOや実際の担当者とDiscussionを交わす、といったものでした。
授業については、毎週月曜日に企業のCFOなどを呼び、最近の企業買収、合併、再建などの話題について、1-2時間講演をしてもらい、その後discussionを交わすものです。話題はかなりタイムリーで、講演者も有名企業のtopたちであり、これだけのすばらしい講演を聴ける機会はそうは無いのではないでしょうか。たとえばP&GのTreasurerが会社で実際に担当した巨額のグローバルM&Aについてのケース・スタディーを行ないます。また、多少Financeから離れて、GoogleのControllerによるInnovative企業のカルチャーに関する講演もありました。様々な業界の企業について見識を深める機会となり、とても良い経験でした。 勿論、学生はただ講演を聞くだけではなく、あらかじめ話す話題について宿題が渡され事前準備をさせられます。大体300Pageぐらいの関係資料を授業1週間前に渡され、グループで、1caseにつき7個ぐらいの課題を解くことになるので、相当大変です。Prospectus 、アナリストレポート、SEC Form 10Kといった実際に現場で使うことになる資料を否が応でも精査させられることになるため、実践力を養うという意味では貴重な経験となります。
授業のケースでカバーする内容は、M&A (LBO、MBOを含む) 、IPO, Risk Management, Project Finance, Venture Capital、Securitizationと多種多様です。 エクソンモービルによるアゼルバイジャン でのProject Financeに関するDeal、コンチネンタル航空Enhanced Equipment Trust Certificatesのケース、Adams Respiratory Therapeutics という医薬品メーカーのIPOに関するケースなど、話題は多岐に渡りました。また、学期の後半になってくると資料の多さにも慣れ始め、Prospectusや10Kのどこに何が書いてあるか、注意して読むべきところと、読まなくても良いところの「感覚」が身についてきたように思います。MFIでは必須となるその他の科目では、Corporate Financial PolicyではコアFinanceの延長として、資金調達手法としてのDebtとEquityの各々の特徴、どういうときにEquityあるいはDebtを発行するか、またそれがどのように企業価値に反映されるかを学びます。その後Valuation Principles, Financial Statement Analysis, Managerial Cost Accounting (Intermediate Accounting)において、意思決定のツール、情報収集の方法を、Corporate Governanceでは、いわゆる企業統治、企業意思決定の際に起こりうる当事者間の利益の対立をどのように解決できるかを学びます。
Entrepreneurship and Private Equity (EPE)
指導教官のDaniel BenDaniel教授の方針で少人数制を徹底しており、定員は20名程度となっています。履修する学生はPEまたはVC志望が7割、起業家志望が3割程度で、PE/VCの投資サイド寄りのプログラムとなっています。
PracticumであるLeveraged Buyout のクラスでは、その名のとおりLBOについて学びます。毎週のようにPEやVCのファンドマネージャーがゲストとして訪れ、実際に彼らが取り組んだ、または今後取り組む予定のディールについて、そのビジネスプランを精査し、投資の是非、成長性、リスク、financial structureなどについて議論します。
Entrepreneurship & Private Equityのクラスでは学生3人でチームを組み、実際にビジネスプランを書き上げ、学期の最後に教授と投資家にプレゼンテーションします。起業家志望の学生にはいい経験(練習?)になると思います。
また、通常の授業の履修生とは異なるメ リットとしては、毎週授業でBenDaniel教授が迎えるゲスト(起業家、ベンチャーキャピタリスト、PEファンドマネージャーなど)と頻繁に会食する機会がもてることです。高級レストランの個室で少人数でディナーを楽しみながら、さまざまなバックグラウンドのビジネスマンと知己を深めることができます。個人的に知り合いになって自分達のビジネスへのアドバイスをメール等で継続的にしてもらえることもありますし、このゲストとの出会いがきっかけで就職が決まった学生も少なくありません。
Customized Option
イマージョンをとらず、Customizeとして、自分でJohnson School内外から選択科目を組み合わせることもできます。Customize担当の教授がおり、必要に応じてcourse designにあたっての相談に応じています。またCustomize選択者向けのsocial eventや学生からのfeedback sessionも実施されています。
Customizeを選択する学生の関心は様々で、real estate, international business, consulting, health care, human resource managementなど多岐に渡ります。元々financeなどある特定のimmersion areaで強いbackgroundを持っており、1年生時からadvancedな教科を自分のニーズにあわせて履修したいという学生もいます。
なおHotel School, ILR school等で授業を履修する場合、基本的にMaster向けの授業の単位はJohnson Schoolの卒業単位として認定されます。(最大15単位まで)
